2007年3月6日火曜日

スーラの額縁

現実を捉えなおす

ドイツ・グッゲンハイムでの展覧会 「アルカディアとアナキズム、分離派・後期印象派」 にて。

スーラは絵だけでなく、絵をを縁取る額縁まで点描で埋め尽くす。もともと幻影 (イリュージョン) である絵画表面をスーラは光の点に分解して対象物の物質的存在感を無くし、さらに現実の物質である額縁でさえも点描で埋め尽くしてその物質性を剥奪しようとするように見える。フィクションである絵画から出発し、目の前の物質世界さえもを光の粒子に分解し、「現実」 自体を解体しようとする画家の意思。

こちらは通常の額縁つき。我々の現実世界と絵画的イリュージョンの境界はきっちりと分かれている。


展覧会: Arkadien&Anarchie, Divisionismus- Neoimpressionismus
ベルリン、ドイツ・グッゲンハイム美術館
4月15日まで


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