人口約25万人。ドイツでは中都市になります。東西分裂時代には西ドイツの東のはずれに位置しそれが未だ残る僻地臭さの要因でもあり、また他方ではフォルクスワーゲン城下町のひとつでもあり僻地のくせに金銭的には妙に潤ってる側面もあります。
かつては住んだこともあるBraunschweig。久しぶりに訪れてみたら街中にはすごいものが次々と登場していました。城の顔をしたショッピングモールと、キリスト教徒受難の歴史を表現した碑を紹介したいと思います。
シュロス・アルカーデン (Schloss Arkaden) 2007年
もともとは18世紀に建てられた大公のための居城。
第二次世界大戦で大部分を破損していた建物は市議会の決定により1960年に完全撤去。跡地には公園が造られました。その公園も2005年再度完全撤去。そして2007年、再び旧城ファサードが甦りました。オリジナルに忠実に復元。部分的に黒いのは現在残る純正部品。そう思うと真正さがさらに増します。
外から見るとものものしい雰囲気。美術館か何かと思ってしまいますが、中に一歩入るとそこは別世界。恐るべしや。現代社会を代表すべき消費の牙城。 見事に表面のみがぺらっと歴史的建造物、中身は巨大ショッピングモール。
世界最大のパズルといわれたドレスデンのフラウエン教会再建。ベルリンの旧東独文化宮殿取り壊しとベルリン市城の再建。ドイツは古い建物の再建ブームです。再建の度に多かれ少なかれ賛否両論の論争が起きますが、こんな大胆な例はかつてありませんでした。
公園の撤去と町の経済構造を壊すような計画に反対してここブラウンシュヴァイクでも市民運動が起きたようですが、戦後に城の廃墟が取り除かれる際にも美術史家の反対運動があったそうです。戦後の気分としては市民は廃墟なんて見たくなかったのかもしれません。一体残したらいいのか撤去したらいいのか、もう何がいいのか良く分かりません。ドイツは未だ戦争の後遺症に苦しんでるとしかいえません。
城内ショップ情報はこちら --> Schloss Arkaden Braunschweig
キリスト教碑 (Christentum-Säule) 2005年
年末にはクリスマスマーケットが立つ場所。そこにはこんなものが。キリスト教の歴史を構成した柱だそうです。
一番下にはキリスト誕生、そこから中世のキリスト教徒迫害から第二次世界大戦の聖職者迫害などなど、現代のクライマックスまで上に行くにしたがって時間が下っていきます。
そして頂上には
なんと黒煙を上げる世界貿易センター。
キリスト教を頂点として(!) ユダヤ教、イスラム教の世界3大宗教のシンボルと共に deus caritas est (神は愛) という教皇ベネディクト16世の言葉が。
キリスト教文化中心の世界図に疑問を提示した事件さえもを自身の受難の歴史に取り込んでしまう大胆な行為。
もしベルリンだったら大変な論争になってしまうようなことが簡単に許されてしまう無垢な町 Braunschweig。
(関係ないかもしれないけど標準ドイツ語 Hochdeutschを話します。)
個人的には楽しい思い出が多いですが。
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