また、木曜のただの日にハンブルガー・バーンホフに行ってしまいました。南アフリカ出身の白人作家ウィリアム・ケントリッジの作品を美術館が購入したということで、お披露目の展示がありました。
大きい暗いホール内に映写スクリーンが大小合計8つ。作家自身が自分のドローイングの前を行ったり来たりしながら描いては消し、思考する創造のプロセスが小さいフォーマットでいくつも映写される。作家はドローイングの向こうに側に何かを見極めようと躍起になる。壁にかかる数あるドローイングの中には日本人にも馴染みの深い小説 「星の王子さま」 に出てくる帽子 (あるいは象を飲み込んだうわばみ) のイラストに似たものもあって、そんなところからも作家の思考を垣間見せる。
いつしか裸の女性が作家の背後に寄り添う。作家はその存在にぼんやりと気づきはするが実在をはっきりとつかむことは出来ない。美の女神に寄り添われるクールベの自画像 「画家のアトリエ」 を想わせる。寓意を通した、芸術家である自身の存在表明。William Kentridge / JOURNEY TO THE MOON
ベルリン・ハンブルガー・バーンホフ現代美術館
2007年5月6日まで

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