入り口の様子
企業家であったホフマン夫妻が60年代後半から収集している現代アートのコレクション。ここのユニークな点は、作品が設置された個人の自宅内を見学できることです。建物自体はかつての医療機器工場を改装したもので、最上の2階分が現在ホフマン夫人の仕事場兼住居となっています。
邸宅内の雰囲気は こちら を。
コレクションの重点は時代・ジャンル・地域とも多岐にわたります。その幅広さはコレクター個人の顔を全く垣間見せないほど。収集のきっかけは、長年所有していた会社がデュッセルドルフ近くのメンヒェングラートバッハにあったため、60年代デュッセルドルフで活躍していた芸術家集団ZEROとの親交でした。その後アメリカに何度も足を運んだことからステラ、ナウマンなど多くのアメリカ人アーチストの作品がコレクションに加わり、1997年ベルリンへの移住後は東欧やアジア出身のアーチストの作品がコレクションをさらに幅広いものにしていきます。
展示内容はホフマン夫人監修のもとに計画され、毎年7月には展示替えが行われます。
私が訪れた2010年5月には、ナチスドイツや冷戦などの記憶をテーマとして展示の大部分が構成されていました。クリスチャン・ボルタンスキー (Christian Boltanski)、アストリッド・クライン (Astrid Klein)、フェリックス・ゴンザレス・トレス (Felix Gonzalez Torres)、エルネスト・ネト (Ernesto Neto)、塩田千春などなど。
一貫性のある展示コンセプトや収集作品たちは、公共の美術館にも全くひけをとらないクオリティー。若いスタッフによるガイダンスも、参加者たちから印象を聞き出すことから始め、専門的な情報提供は後回しにするなど、方針がしっかりしています。
ただそこが弱点でもあり。プライベート・コレクションは公共事業である美術館とは違うはず。ホフマン・コレクションではコレクター個人の趣味嗜好が全く見られず、公共美術館の二次的なものというステータスに陥ってしまってるといえるのでは。とってもいじわるな見方をするならば、資産階級のご婦人の啓蒙活動に付き合わされている、といった感。そのためガイダンス終了後にはさりげないうんざり感が。
主要な所蔵作家:
Bill Beckley, Marcel Broodthaers, Günther Förg, Isa Genzken, Nan Goldin, Felix Gonzalez-Torres, Georg Herold, François Morellet, Ernesto Neto, Hermann Nitsch, Arnulf Rainer, Gerhard Richter, Andy Warhol, Franz West(公式サイトより抜粋)
見学:
毎週土曜11時から4時の間に行われるガイダンス(所要1時間半)は予約制。予約は電話またはメールで。
写真撮影禁止。
入場料8ユーロ(2010年5月現在)
アクセス:
最寄り駅は地下鉄 U8 Weinmeisterstraße またはSバーン Hackescher Markt。ソフィエン通り (Sophienstrasse) 21番地から中庭の一番奥へ入り、カフェBarcomi'sの向かい、つまり進行方向右側が入り口。
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公式サイト(英語・ドイツ語)
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