
ストーリーは単純。愛する妻の死を主人公が時空を超えた心の旅を終えて乗り越える。登場人物達の演技は大げさ。とても悲しいのは分かるんだけどいつも同じトーンで深刻すぎるのはかえって現実味に欠ける感じで、演出の意図に反して観客の方がしらけてしまうような場面も。映像的にはきれいに出来てるところもあるけど、例えば未来の主人公が浮かび上がって座禅のポーズのまま宇宙空間を駆け抜ける場面などは、新興宗教の教育ビデオを見ているようなキッチュさ。これが真面目すぎる演出と相乗効果を生んで、ちょっと正視するのがつらかったりもした。
一番気になったのは、マヤの古代文明、中世ヨーロッパの異端尋問、東洋宗教のヒッピー的解釈 (?) といった、あらゆる神秘主義的事象が全く節操なくミックスされているところ。(そしてそれらの精神世界が収斂するのがここでは現代の脳医学。) こういった、異文化の神秘的なエッセンスだけをリアリティーが欠如した形で困難なく採り入れてしまって、その上でまじめでいられるところが、アメリカなのかな、と考えた (行ったことないけど)。そういう文化人類学的興味で観るならおすすめ。
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