スイス出身の女性作家マイ=トゥ・ペレ (Mai-Thu Perret) の新作展。タイトルは 「ビキニ」。
2年ほど前に同じくバーバラ・ヴァイス画廊 (Galerie Barbara Weiss) でみた展覧会 「黙示バレエ (Apocalypse Ballet)」 のその後を期待して行ってきました。
前回は変なマネキン人形 (写真)、土偶みたいな粘土作品、精神世界な感じのドローイング、架空の設定で書かれたテキスト、などが陳列されていてすごく変だった。
この作家にはまず日記形式で書かれたテキスト作品 「The Crystal Frontier」 が前提としてある。そこで描写されるのは、ニューメキシコの砂漠のどこかに外界から隔離された若い女性達で形成されたオルタナティブなコミューン。そのテキストと共に、彼女達が宗教儀式で使用する道具や瞑想のためのドローイング、祝祭のダンスなどがオブジェ形式で展開される。
今回の作品は、1946年のビキニ環礁における原爆実験、その後ビキニと命名された大胆な水着モード(Wikipedia) 、事件の後のパーティーでの原爆ケーキなどがリファレンス (照会) されてます。
「The Crystal Frontier」 との前回の展覧会のような 直接の繋がりは一見無い様に見える。
しかし、フェミニズム (?)、黙示録的な想定、砂漠の連想 (コミューンと原爆実験の場所) と、底に流れるテーマやイメージは同一な様。
この作家のようなメディアの組み合わせ方、例えば架空の物語を想定してそれに関連するオブジェを制作するなど、は最近なにげによく見かける。でも奇異さ、複合して絡み合うリファレンス、その複合性によって導かれるテーマの奥行きはこの作家が今のところ一番。
展覧会は 2008年7月13日まで
火曜から土曜、11時から18時までオープン
Galerie Barbara Weiss
Zimmerstrasse 88-89
10117 Berlin